中居正広様
nakai

【第??回 SMAP全体会議】

「お疲れ様でした〜」
「中居さん、お疲れ様でーす!」

大勢の声に見送られながら、中居が収録スタジオを出たのは8月18日。
誕生日当日だった。
ちょうど番組収録があったので、収録後にケーキが出てきたり、共演者からプレゼントを渡されたり、常にないことが行われて、中居は少々苦笑する。
芸能人になってはや何十年。
誕生日のたびに、いろんな形で祝われてきて、言っては悪いが飽きてるといえば飽きている。
それでも、ちょっとの時間、それに付き合うくらいのことはやるし、プレゼントも「ほんとにもう結構ですからね」と社交辞令の体で言いながら受け取る。
本当は、二度ともってくるなという気持ちだが。

番組スタッフ2人が、そのプレゼントをまとめて持って、一緒に楽屋までついてきてくれた。
「ありがとー」
「いいえ。これ、重たいんで、そこ置きますね」
一人、焼酎をプレゼントしてくれた出演者がいて、その瓶を置くために楽屋の中までスタッフが入る。
「こちら置きますねー」
もう一人のスタッフが、ドアを開けたところに、小さなブーケを含むプレゼント入りの大きな紙袋を置いた。
「はい、どうもー…」

と、中居が返事をしたところで。

バタン!とドアが閉められる音がした。

ドアに背中を向けていた中居は、またずいぶんと乱暴な閉め方をすると振り向き。

「おまえか…!」
「私だ」
「私たちだ」

楽屋の中まで入っていたスタッフがマスクとキャップを外す。
「木村…!」
そしてもう一人の、入口付近にいた猫背のスタッフが背筋を伸ばす。
「慎吾!」

「サプラーイズ!僕もいまーす!」

慎吾の背中で閉められたドアが開き、懐かしいプロデューサコスプレをした吾郎が顔を出す。
もちろんカーディガンを羽織っている。
「いやいや、誕生日おめでとうおめでとう」
ずかずかと上がりこんでくる慎吾を、中居は表情で押しとどめようとするが効かない。
「じゃあ、これプレゼントね」
プロデューサー吾郎が、背中に隠し持っていた、鉢を取り出す。
「何それ…」
「バラ!」
「バラ!?」
まだ花の咲いていない状態でバラと言われても!と中居は絶句する。
「大丈夫!」
その中に、本当に、本当にイヤだという表情を見て、何も言うなと吾郎が手のひらを中居に向けて言葉を遮る。
「ここから僕が綺麗に育てて、咲いたところで改めてお届けします」
「結構です」
「趣味の園芸で、本気のプロフェッショナルに教わってるから大丈夫です」
「結構です。そのままお育てください」
「いや、お届けします。だって」
と、吾郎が鉢の上部を指さす。
「…なんで人の名前を鉢に刻む!!」
「中居くん用に鉢も作ったからね。これで綺麗なバラを育てて、マサヒロを名付けてお届けします」
「新種を作るみたいにいうな!」

「吾郎ちゃん、すごーい。中居くん、誕生日おめでとう」
慎吾は、ブーケなどを入れてあるはずの紙袋から、大き目の写真立てを取り出した。
「中居くんの好きなものを作品にしました」
どん!と見せられたのは、様々な写真がコラージュされている作品。

「……」
「全部おまえじゃん」
「そうそう」
のぞき込んだ木村に言われて慎吾はうなずく。
「中居くんの好きなものっていえば、やっぱり僕かなって」
「…」
「解るー!中居のお気に入りは慎吾だもんなー?」
「…」
「中居くん、嬉しすぎて言葉もないみたい」
ライブ中の慎吾、慎吾ママな慎吾、絵画作成中の慎吾、プライベートの慎吾など、様々な慎吾がコラージュされ、サインも入っている逸品。だというのに。
「いらない…!」
「なんでよ!中居くん大好き慎吾ちゃんコラージュ!」
「ほんとだよ!世界に一つだぞ!」
「じゃあおまえが持って帰れよ!」
「いや、俺はそれほど慎吾お気に入りじゃない」
「それはそれでひどい!」
もういい、移動車に積む!やめろ!の押し問答がしばらく続いた。

「あのな」
場が落ち着いたところで、落ち着いた口調で木村がいう。
「中居みたいに、なんでも持ってる、なんでも買えるってやつには、その場限りの消えものがいいの」
解ったような顔で木村が取り出したのは、小さめのタッパー。出演者からもらった焼酎の袋の中に入れられていた。
「何?」
「実山椒」
「「「なんで!?」」」
タッパーを手のひらに置きながら木村に言われ、慎吾も吾郎も声を上げざるをえなかった。
「手作り」
「おまえの!?」
「そう」
「「「なんで!?」」」
「いい山椒があるんですよって言われて、中居、山椒とか好きだったかな?と思って」
「食べますけども!」
「作るの面白かったからつい」
「ついで山椒作って、作って…?んじゃねぇよ??」
「そのままかじってもよし、焼酎に入れてもよし、お楽しみください」
「…。なんなの、木村拓哉製実山椒って…」

一通り騒ぎが収まったので、お茶など飲みながら、山椒の実をかじったりしながら、プレゼントでもらったもので分けられるものがあったら分けたりしながら、しょうがないと中居は聞いた。

「草gは?」

「…。あっ!」

慎吾が楽屋を見まわす。

「つよぽん!つよぽーん!」
「やっぱり仕込んでたのかよ!」
「帰る時にもう一度サプライズと思ったんだけど、つよぽーん!あれっ?」

本当は、楽屋のクローゼットに入ってての予定だったが、そこに剛はいない。
「あれ…?」
「いらないよ?そういう二重のサプライズ」
「いや、だって。一緒にここにきて、入っててねって、言ったし。つよぽん入って、僕ばクローゼット閉めたし。
しかしクローゼット中には、中居の私服しかない。
「…帰ったのかな」
「一言もなく?だったら、慎吾のとこにメールでも来てるだろ」
「来てない…。メールとか、ラインも…」

「だから!そういうサプライズいらないから!」

「電話してみる?」
吾郎が自分のスマホから発信すると、小さな着信音が、クローゼットの中からした。中居の私物バックの下に、剛のスマホがあった。

「だーかーらー!そういうの!いらないって!」
「うん、そういうのいらないから、剛はどこに?」
木村もマジメな顔で慎吾に聞き、慎吾も首をかしげる。
「いちいちそんな面倒なことまでしないよ。スマホ置いて、つよぽん、どこいった?」
「トイレとか?」

草g剛行方不明事件の、これが始まりだった。

いや、始まってないですし。
つよっさん、トイレにいましたし!

慎吾が、中居さんの誕生日深夜にやってたバズリズムで、友達にサプライズするのが好きだと言っていたので(笑)

サプライズ仕掛けては怒られていて欲しいものです。

2023年8月18日
お誕生日おめでとうございます。

中居正広様

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