稲垣吾郎様goro

「同じ検事といっても、だいぶ違いますねぇ、稲垣さん」
「すいませんねぇ、地味な検事で!」

2023年12月8日。
稲垣吾郎50歳おめでとうパーティーは、いつもの二人の仲良し小競り合いから始まった。
「そりゃあ、久利生検事はHEROだしさー」
吾郎ちゃんのお好きそうなワインでございます、とボトルを持ってきた慎吾が、ソムリエナイフと一緒に吾郎の前に置く。
「ん?」
「僕らが開けたら、どーせ文句言うでしょ?」
「誕生日の主役なのに!」
そう言いながら左手でソムリエナイフをひっつかみ、右手でボトルを持った吾郎は、しげしげとラベルを眺める。
「うん、これ好きだね」
「でしょー。地味検事」
「そんな名前じゃないわ!」
「いや、十分地味よ。地味検事」
うんうんとうなずく中居に、寺井です!と吾郎がいい。
「久利生に比べて、寺井よ。地味だろ。検察側の最上と比べても地味だろ」
「全国の寺井に謝って!」
「それにそんなタイトルの映画はない」

野菜メインの美しいアミューズは、作った木村自ら提供される。

「『検察側の罪人』です」
「ほらー、同じ検事でも、こちらの検事さんは、どえらいマンションに住んでらしたよー?嫁、チェロ弾いてたよー?防音完璧なタワマンよー?」
「横浜とはいえうちは一戸建てですっ!」
映画『正欲』での寺井検事は、妻と一人息子と一戸建てに住んでいる。
不登校の息子のことで、妻とは揉めがちだ。
「地に足ついたリアルな検事なんですよ、寺井は」
「そんな久利生公平がリアルじゃないみたいな!」
「リアルじゃないでしょう!久利生公平は!」

「やめろやめろ!俺に流れ弾来てる!」

吾郎の次に中居の前にアミューズを置き、木村が首を振る。
「いや、久利生公平は完璧よ。別格だわ、地味検事と比べたら失礼だわ」
「寺井検事に謝って!」
「比べるべきは検察側の最上だと思うんだけど」
「最上検事はそもそも検察側だ」
剛、慎吾とアミューズを出していくと、剛がニコニコと吾郎に声をかけた。
「ワインはぁ?」
「はいはい!誕生日ですけど、自ら開けさせていただきますよっ!」

ぷりぷりしながらソムリエナイフを持ち直した吾郎は、おや?とナイフに目を落とす。
「綺麗だね」
「はい!そちらプレゼントです!」
慎吾がワインとともに選んで来たソムリエナイフは左利き用のもので、吾郎の名前入り。
「あ、ほんとだー、ありがとうー」
「左利き用っていうのが気が利いてるよね、さすが慎吾はトンチがきくよね!」
剛が絶賛したソムリエナイフで、優雅に、しかしやや不器用そうな手つきで吾郎がワインを抜栓する。
「じゃあ、最上検事」
テイスティングを頼まれ、エリート検事最上こと木村がシャープな手つきでグラスを持ち上げた。
わずかに口に含んだ赤ワインからは、複雑で、一言では表現しきれない様々な風味が感じられる。
「うん、いいんじゃない?」
吾郎のようなワインだと木村は思った。

「結局、誰が見てくれたの?」
アミューズに続き、透明なトマトスープ、鴨のコンフィと木村の用意したコースが続く。
パンは、吾郎の好きなブーランジェリーで買ってきたバゲット。デザートは、もちろん慎吾が用意した。
吾郎は、背の高いパフェグラスで作られた真っ白なパフェ(北海道ミルクジェラート、洋なし、ライチ、透明な飴細工)にパフェスプーンを突っ込みながら吾郎が聞いた。
「見たよ」
木村が手を挙げ、慎吾が続く。
「見たんだよね?」
そう聞かれた中居は、すっと目をそらすが、その目線の先に吾郎が回り込む。わざわざ席を立って。
「見たよ!そりゃ、SMAPに新たな検事がと思ったら見るでしょ。そしたら、地味で!検事なのに地味で!」
「僕はね、言うなれば『普通』側の人間なんで、地味、というかリアルでいいんです〜」
「『普通側の罪人』」
「そんな映画はない!」
いつ流れ弾を食らうか解らない木村は身構えているので、突っ込みも早い。
「つよぽんは映画見てる時間ないもんね」
「そーだねー」
朝ドラに舞台に、剛は物理的に忙しい。
「どんな映画なの?」
「地味な検事が離婚される話」
「そーゆー映画じゃないから!」
中居の言葉に、剛はへー、と素直に反応した。
「吾郎さんが離婚する話なんだ」
「そうじゃない」
「吾郎さん、最近離婚しがちじゃない?」
「あ、『窓辺にて』でも離婚してたな?」
「確かにそうだけども!」
「つよぽん、吾郎ちゃんが離婚する映画じゃなくて、吾郎ちゃんの特殊な性癖があらわになる映画だよ」
「え、吾郎さんの特殊な性癖って何?」
「いやいや」
中居が厳しい顔で首を振る。
「聞かないでやってくれ。吾郎の特殊な性癖については」
「僕!のじゃ!ない!し!寺井検事は普通側なんだってば!」
「なんだろう、普通側って…」
その剛の疑問に対し、4人がそれぞれ話した内容を総括すると、『正欲』とは、こういう映画らしい。

特殊な性癖を持つ地味な検事(横浜だが、最寄り駅まではバスという住宅街に一戸建てを建てる)(妻は専業主婦)(息子は不登校気味)ば、メルティキッス新 垣結衣と出会い、その特殊な性癖が、いや、特殊って何?その性癖はただ少数派なだけじゃない?とガッキーに詰め寄り、めっちゃ怒られる。

「そんな映画がこの世に存在するわけないじゃん!!」

慎吾からのワインとソムリエナイフ、剛からのワイン(かぶった!)、木村からの人気フラワーデザイナーによる花束(オールドローズが美しい)、そして中居からのハムの詰め合わせ(お歳暮じゃん!)を手に、吾郎は叫んだ。

吾郎様50歳の誕生日は『正欲』を見ました。49歳の時の『窓辺にて』ほど可愛い吾郎様ではなかったですが、色んなことを考える映画でした。

50歳の吾郎様も、色々な作品に関わって、届けていただきたい。

稲垣吾郎様。お誕生日おめでとうございます♪

2023年12月8日

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